2012年2月12日日曜日

輪島市の震災瓦礫受入について

http://www.nakaura.info/2012/01/120118.html
1月18日にも見解を日記に書かせていただきましたが、あらためて考えを述べることにさせていただきました。

現在、輪島市において震災瓦礫の焼却処理をすべく受入に前向きな調査を進めています。これに関して私の考えをお伝えします。

□震災瓦礫受入の是非

東日本大震災は世界の方々が悲しみに涙した大災害です。私たち日本人は、その痛みを分かち合いながら、復興に向けて共に努力していかなければなりません。

  その復興の妨げとなる瓦礫を処理することの重要さは全国民に共有されていることでしょう。しかし、その一方で、震災津波で併発した原子力発電所の事故は、放射性物質の恐怖を改めて国民に知らしめました。

  私たち一人ひとりがこの状況に向き合い、是非を問わずそれぞれの考えを示さなければなないと思います。

□「想定外」と「安全性」

 放射性物質の線量については、国の安全基準は定められているものの、「想定外」を枕言葉にした事故対処や情報公開、被災者の生活保証について、国民の信頼に足る状況にあるとは言えません。また、「安全性」の言葉に問題意識は低下しますが、放射性物質の「安全性」については、専門家ごとに様々な見解があるのも事実で、現状での「安全性」は確立されていないと考えます。

そのような状況で、人の健康や命への危険が否定できない限り、微量であっても近付かない、持ち込まないことが地域の将来、子どもたちのためになると考えます。

□釣り合わない代償

5年前、能登半島地震発生時に私たちを励ましてくれた皆様には心より感謝しています。その恩返しの気持ちは理解できますが、美しい自然を活かした農林水産、観光が基幹産業であり、世界農業遺産に認定された能登半島に、震災瓦礫を持ちこむことは別問題として考えなければなりません。

ひとつの事故で能登半島のイメージは地に落ちます。仮に「安全性」が確保されても、風評被害により、観光農業、漁業などの産業に大きな悪影響を及ぼします。

瓦礫の運搬や焼却施設補修整備、埋め立て処理場の整備など、土木建設事業による経済効果に釣り合うことのない大きな代償を支払うことになるのではないかと危惧しています。さらに、埋め立てた焼却灰を地域で抱え込むことは、将来にわたって大きな危険を継承することになります。

□震災経験を活かす恩返し

私は東日本の被災地に足を運ぶなかで、陸前高田市の戸羽太市長にお会いしました。戸羽市長は震災直後に瓦礫の焼却施設を建設し、瓦礫処理の仕事をつくるとともに雇用を生み出し、被災者の生活を安定させたいと考え、岩手県に相談しましたが門前払いされたとのことです。被災地にとって、県や国は大切なパートナーですが、緊急時の対応は十分ではないことが伺えるお話です。

  これを踏まえ、震災を経験した自治体だからできることとして、被災経験に基づいて自治体のもどかしい思いを国や県に届ける役割もあるではないでしょうか。前記した陸前高田市の焼却施設の建設は理にかなったことですが、県や国の協力なくして実現はできません。被災地に仕事をつくらなければ住民が離れていく現実が待ち受けています。

全国の被災経験のある首長が連携して、真に被災地の復興に資する事業や復興策を国に県に働き掛ける、一人の首長では届かない声を被災経験のある首長らが大きな声にすることができるのではないでしょうか。

被災瓦礫の処理は、受入側にとっても経済効果が見込まれ、国が追加施設整備費を補助し、処理費用などの経費を負担します。私は、国からの費用を受け取る被災瓦礫処理事業は被災地で仕事ができる方々に譲ることが、震災経験を活かす恩返しのあり方だと考えています。

□市民は置き去り

輪島市の震災瓦礫受入表明は早期であったため、被災自治体の首長の姿勢としては称賛されるかもしれません。しかし、市民は新聞報道により、間接的に突然知ることになりました。子どもたちの将来や生業に不安を抱える市民もいるなかで、市民生活に関わる重要な判断が、市民を置き去りに発表されたことは誠に残念です。

□震災瓦礫を受入れません

   これらのことより、現状での震災瓦礫受入には反対します。そして、「災害廃棄物の広域処理」を見直し、被災瓦礫処理に関わる各種の予算を被災地に集中し、瓦礫処理の仕事・雇用の創出につなげるよう国に求めます。

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