2011年8月14日日曜日

永井豪さんの功績を活かす!

永井豪さんの記念館が朝市にあります。
漫画でまちおこしの時流に乗って輪島市も行政主導で関連の事業を進め記念館の整備を行いました。しかし、現役でご活躍される永井豪さんに申し訳ないような運営と集客状況にあると思われます。私も面識のある永井豪さんの名誉ある功績を、客寄せパンダとして利用しているようにしか思えず、同じまちの住人として申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そこで、永井豪さんの功績を活かす観点から意見を述べます。

水木しげるさんの境港、石ノ森章太郎さの石巻、その他地元に縁のある漫画家の方々の作品や功績を活かしたまちおこしをされている地域は数か所あります。境港を例にとると、商店街の若者らが実権を握る先輩方とは別の発想で水木しげるさんの漫画の主人公、ゲゲゲの鬼太郎の妖怪のモニュメントを商店街の一角に立てたことから始まります。賛否両論はありましたが、それがマニアの間で話題となり、知る人ぞ知るゲゲゲの鬼太郎や妖怪のマニアの方が立ち寄るスポットとなりました。

それを見て商店街の先輩方も協力を惜しまないようになり、街の規模、行政区域の規模でゲゲゲの鬼太郎、水木しげるさんの功績を活かしたまちづくりへと発展し、多くの交流人口を生みだす今日に至ったのです。まちなかには、モニュメントや商店でのグッズ販売、関連商品の開発と展示など、商店街の既存店舗に併設したり、空き店舗などを利活用して様々な展開をしてきました。そうなれば行政も応援します。地域内外の様々な方々の応援を受けられるまちとなり、日本でも有数の街おこしに成功した事例となりました。

その成功事例のストーリーは全て住民の自発的動きから始まっている事が特徴です。漫画の例に限らず、まちおこしや地域づくりの動きは民間が受け手としての責任や愛着を感じるものでなければなりません。

輪島市の場合は、朝市のなかにある銀行移転に伴う空き店舗を買い上げ、永井豪さんの記念館をつくる計画を先行発信し、行政主導の計画推進体制を固めてきました。大きな予算を投じるにはそれなりの投資効果や見通しも必要です。住民や専門の方々の話を聞いたり、意見を反映することはほとんどなかったように見受けます。

輪島市民まつりなどで、住民の意識を傾けようと仮装コンテストを実施し、記念館の開館と時を同じくし、まちなかの辻々には、永井豪さんのキャラクターを使った標識が整備され、有料広告を多用し、まちなかには漫画キャラクターのラッピングバスが走るという状況です。

その一方で、平成8年から「輪風」をコンセプトとした町並み整備を進めており、さらに既存市街地と機能を異にした開発としてマリンタウンの埋め立て事業が進められてきました。すでに、分譲住宅地の整備もされ、ほとんどの埋め立て地が供用を開始しています。

総合的なまちづくりの視点で、それぞれの特徴やニーズを生かして交流人口の拡大を図る計画が必要でした。折に触れ、コンサルタントが取りまとめた計画書など、住民も参加してつくった将来像を目指しているとは思えない事業が場当たり的に展開されました。

これを良いか悪いか一刀両断するのは簡単ですが、現存する記念館を前に否定や批判をしていても始まりません。しかし、民間の発想ではこんな進め方はしません。できません。


そこで、私の考える問題点を整理してみます。


  • 永井豪さんの記念館建設は最終ゴールであり、その機運づくりや住民の愛着を醸成することに時間をかける必要があった。→行政主導の典型的な進め方であり、用地取得とその費用、建設費など行政運営における不明朗な話題が先行することとなった。
  • 記念館の場所は朝市通りではなく、永井豪さんのファンの皆さんが訪れやすい、駐車場なども完備された場所であり、市内地回遊の拠点を増やす観点で整備しなければならなかった。→永井豪さんのファンは朝市の客層とは違っていると思われ、朝市のなかに混在させることにより互いの印象が霞んでしまう。また、新たな交流人口の拡大を目指して整備した記念館であるにも関わらず、朝市の客を見込み一見さんの入場を促しカウントすることとなり、新たな客層を呼び込む理念においては、投資効果は非常に低くなったと思われる。
  • 記念館の規模が来訪者の期待に応えられていない。→私が聞き取りした限り、規模が小さくリピートを望む方はいない。さらに入場者数が先細りすると、さらに有料広告の費用を増額するなど、記念館の入場者数を増やすことが大命題となり、行政が運営する施設の特徴でもある目に見えない運営管理費用が財政負担を大きくすることが予想される。
  • 世代ギャップにより高齢者、若年者のなかには、永井豪さんの作品を知らない、否定的なイメージを持っている方が少なくない。→永井豪さんの功績を行政として顕彰する、永井豪さんの世界的評価をきめ細かく周知する必要がありましたし、今もこの状況は変わっていないと思われます。

これを踏まえて

  • 住民の皆さんに永井豪さんの功績を知っていただき、作品などの否定的な先入観を緩和する。
  • SF漫画愛好家、永井豪さんのファンに記念館の運営に関わっていただき、ブログ、ツイッター、フェイスブックなどの情報発信、SNSの仕組みも使いファンのすそ野と交流環境を広げる。
  • 広報活動は金沢経済圏と県外にしぼり、ターゲットを明確にした広報媒体に重点を置く。

これらを具体的な事業に置き換えると

  • 永井豪が描く輪島物語(仮)→永井豪さんが輪島の自然なかで暮らす若者をテーマに、季節ごと祭や様々な行事のある地域性と輪島塗などの仕事を通した葛藤と夢、異性との出会いを描いた「輪島物語」を連載していただく。
  • 行政と経済団体は{輪島物語」をもとに、輪島を舞台にしたドラマの製作を放送局、関係機関などに働きかける。
  • 上記の取り組みの過程を克明に残し、記念館の展示コーナーに残す。
  • このプロジェクトを行政と住民だけで進めるのではなく、全世界の永井豪のファンに関わっていただく仕組みをつくる
  • 上記を受けて「永井豪さんの功績を活かして輪島を元気にする会」(仮)などのフラットな括りの意見交換ができる仕組みづくりが最も必要です。

さらに、まちづくりの整合性に欠けるまちなかのサインを含めた景観を統一することも必要です。永井豪さんのキャラクターを使った看板は、マリンタウンの一部エリアをキャラクターエリアとし、看板に留まることなくモニュメントや光子力研究所を摸した休憩施設なども整備し、本当のマニアや家族が永井豪さんの作品に触れ合うことのできるエリア形成をすることにより、整備された街並みとの混在を避けて、さらに回遊性を創出することにつなげなければならないと思います。

私も、永井豪さんの作品を見て育った年代であり、こころから親しく懐かしく思っている、永井豪さんを尊敬している一人です。郷土の偉人の名前を切り売りするような現状から早く脱皮して、永井豪さんの真の功績に触れて応えられる、ファンや関係者に誇れる取り組みにしなければなりません。

今からでも遅くありませんとは言えません。しかし、今からでもしなければならないことは山のようにあります。先ずは人ありき、ソフトありきで実践しましょう。


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